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特許事務員の備えるべき強みとは(営業力編)

私が初めて勤めた特許事務所に、
事務員にしておくにはもったいないほどの営業力に富んだ方がいらっしゃいました。

特許事務員は基本的に、期限管理と書類作成及び管理の専門員ですが、
電話やメールを使ったお客様との簡単な遣り取りも当然あります。
また、事務所によっては
出願人との打合せに特許事務員が同席することもあります。

こもりっきりの事務方のイメージが強いのですが、
そうでもない事務所もあるわけです。

その特許事務所のその方は、
もとは関西の大手商社のバリバリの女性総合職で、
結婚を機に退職し、
ご主人の転勤で東京にきたので特許事務所に入ってみた、
という経歴の持ち主でした。

おしゃれで美人で英語が堪能で
関西特有のすばらしいノリと飲みっぷり。
ひとつかふたつ年上の尊敬に値するお姉様でした。

その方は、電話ひとつでも「感じがよい」のひとことにつきます。
声がいいとか敬語が巧みに操れるとかの問題ではなく、
「顔は見たことないけれど、きっとこの人いい人に違いない。」と
思われるような話しぶりなのです。
対面の印象は勿論、声だけで好印象を与えるそのテクニックは
真似できないにしても勉強になりました。

当然、お客さんへの受けもよく、
彼女のおかげでお客さんと事務所との繋がりがよくなった面も
あったように感じます。

特許事務所のカラーにもよりますが、
営業力も大事な大事な強みだと思います。
これからは特許事務所も仕事を待っているだけでは淘汰されてしまいますので、
営業力抜群の事務員や弁理士先生は貴重な存在です。

来たれ、営業力抜群の若人よ!
(また、勝手に募集してしまった。)

*尚、その尊敬するお姉様は
結構大きな老舗旅館の女将であった義母が倒れて、
代わりに女将になるべく特許事務員は2年くらいでお辞めになりました。
やがてテレビの「美人女将特集」か何かで世の中に出てくるような気がします。

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職場として選ぶなら

特許事務員は法定期限に追われる毎日ですが、
予定に合わせて仕事を前倒しにできるところが良いところです。

原稿をお書きになる弁理士先生の出方次第で
特許事務員は予定が立てやすかったり、そうでなかったりします。

私事になりますが、
この夏、身の回りにご不幸が多く、
特許事務員人生で最も喪服が活躍しました。
若者ことばですと「この夏、喪服がヘビロテ」とでもいうのでしょうか。

訃報というのは結婚式とは違って予想できないことが多く、
且つ、「忙しいから行けない」と飲み会のように断れるものでもなく、
法定期限以上に日程管理が難しいものです。

それが、続きました。

ある告別式の帰り道に別の訃報が舞い込んだりして
ピーク時は10日間で弔事が5回も!(うち1回はさすがにパス)
身内の場合は法要もありますからね、兎に角忙しいものです。

こんな時、
仕事の予定はどうなっていたかな・・・と心配になります。
先生だってご自分の書類仕上げ予定があるし、迷惑だよね・・・顔が浮かびます。
いくらなんでも休みとりづらいな・・・と思います。

でも、柔軟性に富んだ弁理士先生と組んでいると
そんな時でもちゃっちゃとご自分のスケジュールを確認してくれて
あっという間に「お休みOK」が出してもらえるんです。
ありがたいことです。

「仕事に穴さえ開けなければいいですよ。」と余裕の笑顔です。

そんなわけで
仕事の心配もなく100%弔事活動(!?)に専念できたので
私のこのハードな夏も無事過ぎてゆくのでした。
多謝。

特許事務所選ぶなら、タッグ組む弁理士先生を見て選ぶべし。
公私ともに円滑にものごとが運びます。



日々勉強なり

特許事務所で働いていらっしゃる皆様

日々新願やら
中間やら、
登録料納付やら、
なんやらかんやらございますが皆様如何お過ごしでしょうか。

作業としては特に技術が必要なわけでもない特許事務ですが、
なんといってもパターンが多いのが
難点というか醍醐味というか・・・
特許事務員の大変なところであり面白いところであると思います。

出願は同じものがふたつとないし、
譲渡や移転登録は色々なパターンがあるし、
何年やっても
「このパターン初めて~。」という案件にあたります。
私の場合、
「前にやったことあるけど忘れた。完全に忘れた。きれいさっぱり忘れた。」
とかもしょっちゅうです。(笑)
何年か経過するとやり方が変わっていることもあります。
法律もどんどん変わるし、昔の記憶はあてになりませんね。

そんなときは特許庁へ電話で問い合わせ。
10年やっても特許庁は強い味方。
ワンタッチダイヤルの「1」に登録されている特許庁に
ナースコールにも近い感じで助けを求めます。
知ったかぶって手続して却下になるより50倍くらい良いと思います。

そして聞いたこと、特許庁に教えてもらったことは
すぐさま同僚や先生に伝えて情報の共有化を。
自分だけ知っていてももったいないですし、
次に同じようなことが起きたときに
「あーじゃない?」「こーじゃない?」「確か特許庁は・・・」
と知恵を出し合えます。
人に話せば、自分の聞き間違えや理解不足も明らかになって良いです。

若い子が知り得た情報も分けてもらって
日々勉強している感じです。
だんだんもの覚えが悪くなり、だんだん物忘れがひどくなり
せっかく毎日勉強しているにもかかわらず
脳みそに何も入っていない日がきたとしたら・・・
その日が引退の時でしょう。

その時は
マイク代わりに「産業財産権登録の実務」かなんかをステージの正面に置いて、
華々しく去って行こうと思います。


命が惜しいので、特許事務員!?

特許事務員をやっていて損したこと。
ありません。

法律事務所と特許事務所が一体化した事務所に勤めていると、
裁判絡みで逆恨みされて狙われたり、
強面の輩が押し入ったり、
ちょっと怖い経験をすることもあるらしいのですが
(経験談を特許事務員の友人から聞いたことがあります。)
特許事務所においては
逆恨みされるような事態はまず起こり得ません。

特許事務所は発明や権利を守るお手伝いをする所です。
すなわち、発明者や権利者を喜ばせることが基本、
出願が残念ながら権利化まで至らなくて
がっかりさせてしまうことはあるかもしれませんが、
権利化に至らないかもしれないということは
出願前に弁理士さんがある程度読んでいるので、
お客さんにはご説明済みであり、従って
お客さんも「寝耳に水!!!聞いてないよ!!」と怒り出すようなことは殆どありません。

ですから、喜ばれることはあっても
命を狙われるような重大な危険にさらされることはない職業だと思います。

自分が悪いことをしていないのに、命を狙われるような身近な職業は
私のイメージでは以下の通りです。
  ・銀行カウンター業務 (真っ昼間から強盗の被害に遭う)
  ・コンビニレジ業務  (深夜の強盗の被害に遭う)
  ・警察官       (警察に恨みをもった者の被害に遭う)
  ・弁護士       (裁判の相手方を窮地に追い込むと被害に遭う)

上記職業に就かれている方には大変申し訳ありませんが、
私は命が惜しくて惜しくて、皆さんの職業には就けません。

弁理士と特許事務員の関係

特許事務員の強みに関する件はちょっとお休みして、
弁理士との関係についてお話ししたいと思います。
(この先「体力編」「歌唱力編」違う違う「集中力編」、
「営業力編」などなど考えております。乞うご期待。)

弁理士試験合格のために、
多くのことを犠牲にして、茨の道を歩き、
合格するときにはほとんど血まみれ状態(笑)という、
強い意志と向学心に満ちたド偉い人たち。
・・・それが私の抱く弁理士像です。
実際に周りの弁理士さんたちはそんな方が多いです。

昔は特許庁の審査官を何年か経験すると
最後の面接が免除になった、ということもあったらしいですが、
それでも弁理士になる人・なれる人は頭脳明晰な尊敬すべき人たちです。
昨日まで「●●ちゃん」「●●さん」「●●(呼び捨て)」と呼んでいた同僚が、
みごと弁理士試験に合格すれば、その日から「●●先生」とお呼びします。
最大の敬意を表して。

私たち事務員はたとえ、
どんなに経験を積んで、
どんなに法律を学んで、
どんなにお客様に信用されても、
特許手続に関する「代理人」にはなれません。

あくまでもサポート役です。
黒子です。(注意:ここは「ほくろ」とは読まないように。)

そういう立場がお嫌いな人もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、勉強して弁理士試験に合格すれば良いわけです。
私はこの立場が大好きです。
欲を言うと、
サポート相手の弁理士さんと「阿吽の呼吸」で仕事ができるのが望ましい。

弁理士さんは気兼ねなく特許事務員の手足を使い、
特許事務員は気兼ねなく弁理士さんの頭を使う。

『別々の身体だけれど、
 うまい具合に神経がどこかで繋がっていて、
 お互い非常に便利な存在』

そんな関係がいいですねー。

特許事務員の備えるべき強みとは(記憶力編)

かつて、とある特許事務所にすごい方がいらっしゃいました。

弁理士さんが一気に7件の案件に関して口頭で指示を出したのに、
メモなしでちゃんと全部覚えていて、
デスクに戻るや否やちゃっちゃと処理していらっしゃいました。

私から見れば聖徳太子と変わらぬ存在です。
尊敬を通りこして、目が点になりました。
7件のうちはじめの3件くらいは、
もしかしたらなんとかなるかもしれませんが
メモなしでは全ての指示を間違いなく覚えていることは私には不可能です。

そんなにきっぱり「私には不可能です」と公言する必要もないですけれど(笑)
私の場合、メモが必需品です。

彼女の頭の構造はどうなっているのでしょうか。
まるで頭の中に広く真っ白いノートがあって
きちんきちんと整理されて人の話が書き留められているようでした。

・・・思えば彼女の瞳は澄んでいました。
(関係ない?)
私には、人の話を聴いているときの彼女の瞳は
驚異的な集中力によって澄み切っていたように思います。

特許業界では複数の様々な案件が同時に動きます。
以前お話ししましたように
特許、実用新案、商標、意匠を全部担当していますと
気をつけなければならないことが複数パターンあって、大変です。
特許庁への応答日数も異なりますし、必要書類も異なる、
こっちはこうであっちはこう・・・という感じです。
(特許専門、商標専門の事務でもパターンは少ないですが
絶対量が多ければそれはそれで大変です。)

記憶力がずば抜けて良い人は、
どの業界でもその才能を生かせるのだと思いますが、
特許業界では間違いなくぴかぴか輝く存在になれることでしょう。

記録力が優れていれば
仕事も早くて無駄がなく、間違いもなく、
本当にすばらしい特許事務員になれると思います。

きたれ、記憶力抜群の若人よ!!


*因みに前出の彼女は、
「直接、人の相談に乗って助けてあげる仕事がしたい。」という崇高な目標を掲げ
特許業界から去って行きました。
努力の結果、翌年、公的機関の相談室のカウンセラーに見事就職したのでした。
すごい倍率だったそうです。
めでたしめでたし。

特許事務員の備えるべき強みとは(日本語編)

英語、中国語ができるのは強みになるというお話しをしました。

他の言語(例えば仏語、独語、伊語)はどうでしょうか。

残念ながら、どんなに堪能だからといっても「かっこいい~」とはなりますが
「使える~」と賞賛されたことはあまりないかもしれません。
できるに越したことはないと思いますが、
特許事務所においてはそれらよりもむしろ英語が強みとなるようです。

では、私。
私は日本語しかできません。

中学生の頃から日本語が大好きで、
常用国語便覧の文学史年表に載っている作品を
右端から順々に読んだりもしました。
普通の読書も楽しいのですが、
国語辞典を読むのが何より好きで、
1ページ1ページめくる度に自分の知らないことに出会えて
わくわく致しました。
あまりに好きすぎて、
いまでも家族には時々「気持ち悪い」と言われます。

日本語検定なるものもあるようですが
受験したことはありません。
多分、私の知っていることなど試験に出るような
まともなことではないと自覚しているので。(笑)

特許業界に入りまして、このマニアックな日本語力は
年に何度か役立っております。(「年に何度か」ですけどね。)
見栄をはってちょっと特殊能力的に表現したかったのですが、
要は漢字の変換ミスの発見や、文章の矛盾の指摘とか・・・その程度です。
ですが、見つけられないより見つけた方が
間違いのまま出願するよりは良かろう、
ということで、これも特許事務員の強みということにしておいてください。

強みのない私を救うと思って、ご了承のほど何卒よろしくお願いします。
(昔、これを「ナニソツ」と読んだおじさんがいたな・・・)

*次回は「記憶力」についてお話しします。



特許事務員の備えるべき強みとは(中国語編)

英語ができる人は何といっても強いというお話しをしました。

他の言語はどうでしょうか。

中国語が堪能な方は良いと思います。

知的財産権関係で数年前から中国は注目(というより警戒?)されています。
痩せ細ったドラえもんなど記憶に新しいと思います。
色々な事態が起こり、中国語の文書が事務所内でも飛び交います。

また、日本国内の出願でも中国系の出願人さんはたくさんいらっしゃいますので、
中国語ができる方はそれを強みに、
特許事務員になってみるのも良いかもしれません。

数年前、中国人の出願人さんと審査請求の期限が間近になっても連絡がとれず、
冷や汗をかいた経験があります。
ご自宅に電話をしても、毎回、中国語しか話せない女性が出られて、
日本語で出願人様のお名前を言って取り次いでいただこうとしても
全くとりあって戴けませんでした。
営業電話か何かと間違われたのでしょうか、
怒り口調の中国語が矢のように降ってきました。

特許庁期限は刻々と迫り、所内に中国語のできる方もいなかったため、
ネットの中国語翻訳のサイトを使って
「●●様へお伝えください。
特許庁期限が●月●日に迫っております。
至急、ご連絡を下さい。」
と中国語のファックスを送りました。
(原文のまま掲載したかったのですが、歳のせいで、
 あれほど頑張って調べた中国語が思い出せません。失礼。)

すると翌日、日本語の話せる出願人ご本人様から国際電話が入り、
「出張で中国にいます。家内が伝言を知らせてくれました。ありがとう。
 どこで中国語を勉強されたのですか?お上手ですね。」
というなんとも嬉しいお言葉を頂戴しました。

そんなわけで、中国語も強いと思います。

特許事務員の備えるべき強みとは(英語編)

特許業界に入ってみて分かったことは、
特に強みのない事務員はあまり存在しないということです。

なんといっても英語が得意であることは強いと思います。
外国から日本の特許庁に出願するものや
日本から外国の特許庁に出願するもの、
いずれも英語がつきまといます。
ファックスもレターもメールも英語ですし、
書かれている内容が専門的なこととなると、
私なんぞは、辞書をひきひき、息も絶え絶えの状態での作業となってしまいます。

いまどきはメールでの遣り取りが一般的ですが、
現地代理人から電話が入ることもあります。
夕方以降、残業しているときは危険です。

私はバリバリの文学部日本文学科卒業のため、
英語の電話を受けた場合は、取り次ぐだけで精一杯です。

前に勤めていた特許事務所で
「外国からの電話を受けた人は、内容も聞いてから取り次いで下さい。」
と言われました。
ご用件を「尋ねる」ことはできても、聞き取ることは恐らく無理でしょう。
難解な用件をペラペラしゃべられた日には、とんでもない事態がおきます(笑&涙)。

努力はすれど、無理はせず。

英語は嫌いではないのです。
ゆっくり時間をかけて和訳してよいのなら、いくらでも頑張りたいのですが
何といっても特許業界はスピードが命。
さっさと和訳や英訳を済ませて、次の仕事にとりかからなくてはなりません。
英検2級では太刀打ちできない世界です。

というわけで
英語に関しては、得意な人に取り次ぐのが一番だと思っています。

*因みに、仕事とは関係なく、
無責任な立場で外国の方とお話しをするのは好きです。
片言の英語でも結構お友達になれたりします。
もしも町なかで、ボディーランゲージのアクションのし過ぎで怪しい動きの日本人がいたら
それは私かもしれません。
たいやきさん
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